北米・欧州といった海外市場では相次ぐサービス利用料金の値上げやメーカーの人員削減が続いており、ユーザー企業のIT投資に対する意欲が停滞傾向となっている。一方、日本におけるITサ-ビス市場はDXに対応するためのシステムモダナイゼーション・デジタライゼーション、SAP ERPのバージョンアップ、インボイス対応、生成AIの活用といった需要が発生しており、2023年も好調に推移している。
しかし、パブリッククラウド上で稼働するシステムの増加はサービスマネジメントの観点ではさまざまな問題を発生させている。クラウドネイティブ技術で構築されたシステムを監視・管理するには従来型の運用方法は適していないことから、オブザーバビリティなど新しい運用方法への対応が求められている。また、パブリッククラウドとオンプレミス・プライベートクラウドという異なる環境で稼働するシステムをいかに統合運用管理していくかという点も大きな課題となっている。
組織面では、ベテランエンジニア層の定年退職に伴った人員不足と技術力の低下も顕在化しており、少ない人員で効率的なシステム運用を行っていくためにAI・MLを活用して運用自動化を図る体制作りが求められている。生成AIも急速な進化を続けており、サービスマネジメントソフトウェア・サービスへの実装も始まっている。
上記のような変化が起こっている2024年調査においては、下記のポイントに対して分析・考察を行っていく。
<2024年 市場調査のポイント>
・パブリッククラウドの活用状況はどのように変化しているのか?
・パブリッククラウドをターゲットとした運用管理SaaSの動向
・オンプレミスとパブリッククラウドが混在する環境を運用していくうえでの課題は何か?
・システム運用部門における人材不足の状況とその対応策は?
・サービスマネジメント領域における生成AIの活用は日本市場で受け入れられるのか?
また、毎年継続実施しているエンドユーザー調査において、変化を迎える時期におけるエンドユーザーの現状や今後の方針について明らかとしていく。
<2024年 エンドユーザー調査のポイント>
・パブリッククラウドの活用状況と方針
・パブリッククラウドのコスト/セキュリティに対する意識は変化しているのか?
・オンプレミスとパブリッククラウドが混在する環境を運用していくうえでの課題は何か?
・運用管理SaaS利用の利用状況と方針
・システム運用部門における人材不足の状況とその対応策は?
・生成AIに対する期待と導入意欲は?